Asia Navigation Conference 2024 優秀論文賞受賞
2024年10月30-31日に中国、北京で開催されたAsia Navigation Conference (ANC) 2024(49論文発
表)においてマリン・テクノロジストの石澤・加納による発表論文「Evaluation of energy savings using
weather routing operational data for coastal ferries: WRを利用した沿海フェリーの運航データを基に
した省エネ効果の評価」が、The Excellent Paper Award(優秀論文賞)を受賞しました。
本論文では、航海毎の燃料消費量は、経年劣化などの影響で経時的に増加するトレンドの項とデータ
のバラツキの項で表現されるとするウィナー過程型のモデルを仮定し、収集された航海データを基に、WR
を利用しない状態(BAU)と利用した状態(Project)とをスチューデントのt検定を用いて比較・評価するこ
とで、WRを利用したことによる省エネ効果を評価する手法を提案しました。
これによると、省エネ効果についての有意性も判断できます。宮崎カーフェリー様の協力を得て、
本手法を「たかちほ」に適用し、eE-NaviPlanを利用した場合としない場合の燃料消費量を比較したところ
99%以上の有意性(p値<1%)をもって3.5%の省エネ効果があったことが判りました。
また、このような結果を得た要因として主機出力の低減と最適な航路選択ができたことが考えられました。
今後フェリーにおけるeE-NaviPlan利用の省エネ効果に関し本手法を用いてレポートを作成する方向で 解析システムの開発を進めることとしております。